【初、自転車旅】4年前、僕の人生がちょっと変わった話【ママチャリ140km】
どうも、黒糖です。
この度は、私がはじめて自転車旅をしたお話をしたいなって思います。
私は今、自転車に乗るということを趣味とし、それを人生の主軸にして楽しく日々を過ごしています。
その自転車と出会ったお話をしたいと思います。
私は、スポーツ障害に悩まされ、2年という長い間自転車に乗ることができませんでした。
はじめて自転車旅をしたのが4年前なので、こう振り返ると、自転車に乗れていない期間のほうが長いんですよね。
自転車に乗っていた期間よりも長く自転車に乗れていないにも関わらず、腐らず、先が見えない中で踏ん張れたのは間違えなく”この日”の思い出が強く脳裏に残っていたからだと思います。
目次
「暇」と「影響」と少しの「踏み出す勇気」
2015年3月22日 未明
黒糖少年、当時16歳。ふと思う。
「めっちゃ暇やな」と。
当時は高校1年生。部活は軽音楽部に所属、趣味はゲーム。
いやぁ、毎日死ぬほどおもんねぇなぁ。
春休みの生活は、昼の12時に目を覚まし、朝の6時に眠る。
さすがにこんな生活に未来はない。
自分を本気で変えてみたい。
そんな中、とあるブログと出会った。
ニートの挑戦!!二万円の自転車で日本一周してみる
(現在は記事が削除されていました。残念…)
度肝を抜かれた。
ビビった。
そんなことが可能なのかと。
僕たち自転車乗り、いや、ロングライダーなら誰もが一度は言われていること
「え、そんな長い距離を走るの?自転車で??」
という言葉が素で出た。本当にビビった。
そこからはその方のブログを3時間かけてすべての記事を読破し、思うわけである。
「うし、俺も旅始めるか」と。
そして熱量に任せ、旅の計画を即練り上げる。
とりあえず海が見たいと思い、愛知県の港町 河和を目的地に設定。
往復は120km、まぁいけるだろう、なにかトラブルがあったときもなんとかなると考える。今思えば気楽なもんよ。
自転車に関する知識は弱虫ペダルしかないので、補給食はカロリーメイトだな!と思い1000円分購入。
本当にこんなふうにかじりながら走っていました。
ステータス
当時の自分のステータスを記載します。
当時、ゲーマーだったこともあり、何事も数値化するのが好きだったのを思い出します。
HP(体力) 40(最大100、平均50)
平均よりやや劣るくらい。
中学のときは卓球部に所属、駅伝部と一緒に練習していた経験もあり持久力には少し自信アリ!
でも部活引退から1年半、一切の運動をしていませんでした…。
ちなみに、自転車経験は高校の往復14kmくらい!!
MP(マネーポイント) 3000円
ありったけの貯金!!!
2ヶ月前にラブライブ!のライブに行き金欠状態。
途中、もしパンクしてしまった際に直せるお金と、3回分の食事くらい。
スキル
・精神力
なんか知らんけどやる気には満ち溢れていた。
わけわからんくらい謎の「俺ならできる!」という謎の自信に満ちあふれていた。 今思うと笑えちゃいますよね、でも若気の至りで本当にいけると思っていました。笑
スペック:少し運動をしていた程度のオタク!
使用機材
・通学用ママチャリ
中学1年生の頃から愛用しているママチャリ。
入学当初、140cmしかなかったので自転車は26インチ。小径車みたいなもの。
ギア比はわかりませんが、フロントシングルでリアは3枚、なんと3枚もギアがあるのです。
マジで坂も何も怖くないねって思っていました。
このママチャリは、愛知から大阪へ走った旅でも使いましたね。
(これは別の機会にでも話します)
使用機材:すでに3年使っている通学用ママチャリ!
旅のチャート
当時住んでいたのは愛知県一宮市。
名古屋から電車で10分というところに位置する街。
ここから港町 知多半島 河和に行ってみよう!と決める。
自宅 ↓ 名古屋(約20km) ↓ 知多半島 河和駅(約60km) ↓ 名古屋(約100km) ↓ 自宅(約120km)
だいたいこんな感じ。
知多半島一周も考えたが、とりあえず海が見たいだけだったので往復でいいか、あと覚えること多いと面倒だし、帰り見た道だと安心できるよな!という本当に旅をする気があるのかないのかよくわからない心持ちでこのルートを設定!!
でも、海が見たいだけっていうのはなんか寂しいなぁ、せっかくだし自分の大好きなものと絡めてみよう!
そこで当時大好きだったラブライブ!の園田海未ちゃんのねんどろいど ぷちを連れて旅に出ることにする。
目標:海未ちゃんと、海を見る!
いざ、”旅”へ
自宅→名古屋市街地
眠い目こすって午前4時。
いつも遅刻ギリギリ、なんなら遅刻している僕がスッと目を覚ます。
あぁ、これから120kmにも及ぶ旅に出るのか、え、ほんとに旅に出るの?
にわかに信じられない。 そしてこれから一生忘れることのない小さいけれど大きな一歩を踏み出す。
いつもの通学路を通る。見慣れているけど、どこか違う。
なんか新鮮な気持ちだなぁと思いながら時速15kmの自転車は前へ進む。
清州城 信長で有名な清洲城。
カメラワークのセンスがなさすぎてわけわからん写真になっています。
無事ネット 15km/hで進んでいく。
名古屋市街地→河和駅
金山駅を直進すると、熱田神宮に着きました。 名古屋県に住みながら、実は熱田神宮に行ったことがなかったのでこれを機に参拝。 でけーーーひっろーーーいやべーーー、くらいの感情しかありませんでした。 とりあえず、怪我なく事故なくなくなく祈り、神宮をあとにする。 熱田といえば、信長も戦の前になんかしたみたいな場所でしたね。 士気あがったぜ、マグカップ以外は。 とにかく朝焼けが大好きなので、朝焼けでよさそうな景色は撮影しまくる。 今思うとどういうカメラワークだよ、みたいな写真がたくさん出てきます。 なんかピントの合わせ方くらい勉強しなさい!って感じの写真。 これは熱田神宮から河和駅の距離のスクリーンショットと思われる画像。 今でこそ41kmなんて2時間もかからんべ!て感じですが、当時の僕は「え、あと41km???弱るなぁ…」て感じでしたね。 えーっと、毎日の往復が14kmだから…あと2日と半分の距離!!! みたいな感じの計算をひたすらしていました!途中当り屋に遭遇し、
なんとか名古屋市を突破。
2時間かかりました。 本当に無限のように感じた。
知多ラーメンという初見ラーメンを発見、食べたいなぁと思うも開店しておらず次の街へ進んでいく。
知多半島の中華安置点あたりである半田市に到着。 半田市という標識?看板?が目に入ったときは思わずガッツポーズ、なんか叫んで近くにいたおば様に笑われたのを思い出します。
家から約50km、だいぶ進んできたなぁ。
でもこれだけで742Kcalしか消費していないんだぜ??
ローラーSST20min2セットより少し多いくらいだ!!がんばれ!!といっても当時の俺を励ましてやりてえ〜〜〜!
そのまま知多半田駅に到着。
鉄道オタクってわけじゃないけど、この旅ほとんど駅や電車の撮影ばかりだな。
理由としては、駅は具体的に今、自分がどこにいるのかしっかり発信できるからっていうのが大きかったと思う。
実際にロードバイクで旅するようになってからも駅の撮影はよく行っています。
そして武豊市に到着。
ここまで来ると、磯の香りがぷんぷんする。
ああー、海近いなって感じがたまらない。
美浜町。もうここまで来ると完全に海だなぁ。
潮の香りが街中に漂う。
あと自分の汗の匂いも漂う。塩の匂い。
家からだいたい60km、ようやく海が見えてきた。
すげー、これが海か。
よく考えれば海ナシ県生まれ川の街育ちの自分にとって海はめっちゃ新鮮なもの。
ここで目的であった「海未ちゃんと海を見る」を達成! ついでにここで海未ちゃんのキャラソンを聴いていく。
今思うとこの頃の俺、輝きすぎだろ…。
いつもの自転車に乗ってるのに、いつもと違う風景。 なんか不思議で、疲れているのになんか楽しくて。
「あー、自転車旅って楽しいな」
心の底からそう思いました。
ただ風が強すぎる、前に進まない。どんだけペダル回しても進まない、しんどい、ひーひー。
「辛い」
ふと口に出た。
シンドイ中、とにかくペダルを回し続けた者にのみ訪れる景色がある。
それはゴールにたどり着いたとき景色。
あぁ、これが目指していた河和駅か…別に駅が見たかったとか、そういうことじゃなくてなんとなく海が見たかった、ただそれだけだった。
ただの私鉄の駅、のはず。
でも、当時の、その瞬間の僕にとってはなんかすげーモニュメントに見えた。
マイルストーンとも呼ぶべき駅だ、今でもこの駅名を見ると感慨深い気持ちになるし、思い出が鮮明に蘇ってきます。
ここまで家のドアから64km、長かったなぁ。それでいて、楽しかったなぁ。
でもまだ半分あるという事実に乾いた笑いが出た。
とりあえず、大好きなコーラをグビっと飲む。
世界で一番美味しかったコーラだろうよ。
学んだこと:風は強いとシンドイ! コーラは美味しい!! 旅は楽しい!!!
河和駅→半田市
あくまで、今回の旅の目的は「海を見ること」だったので、とにかく海を見る。
青い空、桜が咲く少し前の暖かくも少し肌寒い空気が汗びっしょりの自分をいい感じに冷やす。
海を見ながらいろんなことを考えた。
「海の先は果てしないなぁ」
「ここまで65km,すっげぇ長かったなあ」
「自転車旅、楽しいなぁ」
「帰ったら、またつまらない日常が待ってるのかな」
帰ったらどうなるんだろう、こんな楽しい時間は生まれてこの方、味わったことがなかったんだ。
また、できるかな。
見てみたいな、もっと、いろんな景色を。
まだ旅は半分残ってる、エンディングはまだ早い!!!
76km地点、二度目、折返しの武豊町。
北西、ガッツリ襲ってくる向かい風。
天気予報を見ると、風が強すぎて「予報 風」みたいになってる、ハチャメチャや。
半田市に入るも風向きは変わらず、本気でヤバいなこれ、マジで前に進まないな…と途方に暮れる。
そんな中、駅を発見。最寄り駅までは980円で帰れるとのこと。
あー、ここにチャリ停めて帰ろうかな。ほんとしんどい、早く帰りたい。 しんどい。しんどいしんどいしんどいしんどいしんどいしんどいしんどい。
でも、やるんだよ。
再び走り出した。
半田市→名古屋市街地
誘惑を打ち破り、半田市を突破。
阿久比といえば…
そう、朝通りかかって、でも閉まっていたから帰ってきた知多ラーメン。 何も下調べをしないで、通りかかって気になった店に入る。
うわぁ、めっちゃ旅してんな自分!!!!!
ベトベトの汗と、補給の「ほ」の字もわかっていない、カロリー激ヘリ状態のお腹はラーメンでいっぱい。
とにかく濃くて、とにかく美味しかった。
とにかく強い向かい風に抗ってここまで来た、自分はなにもないと思っていたけど、そんな自分でもこんな旅ができている、ということを考えていたらなんか泣きそうになって、たいへん気持ち悪い顔をしながら麺を啜っていた。
100km、当時の僕からしたらわけかわらない距離、途方もない距離だった。
こうして走りきった実感もわかない、ほんとに俺は自分の足で100km走ったのか?
でもたしかにここまで来た!!!
自分だけの力で!!!
そして補給、いつも節目にはコーラがあった。美味しかった。
そしてついに名古屋市に入り、この旅もいよいよ終わりに向かう。
名古屋市街地→自宅
川を超えると名古屋市に入り、そこから間もなく地下鉄が見える。
本格的に名古屋の市街地に帰ってきた、すげえ、帰ってきた名古屋!!!!! 知多半島は風の暴力で殴られ続けていたが、名古屋市はクルマと信号に殴られ続けた。
120km走ってきて、そこに信号のストップアンドゴーはとにかく足にくる。
耐えるとき、あと20kmもしないうちに家につくから!!!!
そしてたどり着いた名古屋駅。
そして改めて思う。 今ここで300円払ったら最寄り駅まで帰れるんだなぁと。
風で手もかじかむし、足もパンパン、肺も痛い。 あー、今すぐ駅前の駐輪場に停めて帰りたい。帰りたい。 ここまでよくやった、自分でも思う。
だけどやっぱ「帰る」はナシだ。
清須市に到着。あれ、朝の何時に清須市にいたっけか、忘れちゃったけどとにかく知ってる景色が見えてくると心の余裕が違う。
清州城。朝と同じカメラワークで撮影した。
時間で言えば13時間しか経っていないが、僕は13時間では得られない成長をしてここに帰ってきたよ。
そして一宮市に帰ってきた。
途中、何度もやめたくなった、帰りたかった。
でも諦めず帰ってきた。
ただいま、ずっと会いたかったぜ一宮。
最後に食べたファミチキは脂がたっぷりで食べきるのに5分もかかったw でも美味しかった、脂の一滴も味わって食べた。
もうここからは知っている道しかなかった。
右を見ても左を見ても、全部が初めて見る景色で心が踊っていた6時間前とは違う。
帰ってきてしまったのだ、もう、旅が終わるんだ。
楽しくて、その倍はしんどくて、何度もやめようと思っていたけど、楽しくて楽しくて忘れられない時間と景色しかなかった旅が終わってしまう。
終わった。
当初予定していた120kmをちょっとオーバーした137km。
平均速度は、休憩などを除き驚異の9.6km/h。笑うしかない。 最高速度も30km/h、今思うと笑えるがこれは当時の精一杯。
でも、14時間前の自分と今の自分、少し大きくなった。
そしてまた、日常へと戻っていく。 戻っていくけれども、旅は終わらない、また旅を何度でもしよう。
生きてる限り、何度でも、何度でも。何度でも。何度でも。何度でも。
この137km、一生忘れることはないだろうなぁ
まとめ
たいへん長くなりましたが、これにて僕の人生がちょっと変わったお話は終わりです。 この旅は、何もなかったただのオタク高校生が、ノリと勢いで一歩踏み出して、大きくなって帰ってきました。
途中、始める前は応援と「そんなの無理だ」なんて声が半々でした。
でもやってやったぞ!!! 俺はやりきったぞ!!!!見たか!!!!!
なんて言ってやるつもりでしたが、ゴール後はそんなことどうでも良くなっていました。
出発前の高揚感、初めて見る景色、そしてなにより自転車そのものの楽しさ。
ゴール後の達成感、コーラの美味しさ。
乳酸が全体に周り、身体は重いものの、心地よい。
これらをたった14時間で知ってしまった。
夢中になるには十分すぎる。
きっとこのブログを読んでいる皆さんも同じでしょう。 なにか自転車に夢中になるきっかけがあって、それでここまで自転車にのめり込んで来たんだと思います。
そして、これから自転車を始めようとしている貴方。 絶対楽しいから!生涯の趣味になるから!!
やっぱ僕らは自転車が大好きで大好きでたまらないんだ!!!!!!
そして旅ははじまる、何度でも何度でも、満足するまで旅をし続ける。
いってきます。