【聖地巡礼】サウナしきじ について
黒糖です。
先日、会社の関係で静岡に行く機会があったため、その足でサウナしきじに行ってきました。
その際の感想、雑記をまといめていきたいと思います。
サウナしきじ とは
サウナしきじとは、静岡県静岡市駿河区敷地に存在するサウナであり、2005年より現在の形で経営している。
ちなみに建物自体は昭和を感じさせるもの。いつごろからあるかは調べても出てこなかったためわからず...。
"聖地"と呼ばれる所以だが、水風呂にあるそうです。
サウナにおける水風呂は非常に重要な役割を担うことはサウナーの皆さんもご存じかと思います。
いくら外が寒いからといって水風呂抜きでいきなり外気浴を行ってもディープリラックス状態、いわゆる”ととのい"にはたどり着けません。
しきじの水風呂はミネラル豊富な天然水。
なんと地下50mから汲み上げているそうです。
激熱のサウナと究極の水風呂からサウナの究極形態、聖地と呼ばれているそうです。
店内は非常にシンプルで薬草風呂、普通のお風呂、水風呂、サウナ、シャワーのみという点からも聖地感を感じますね。
サウナしきじ の サウナ室について
しきじには2つのサウナがあります。
1つはフィンランドサウナ。こちらはよくあるスタンダードなサウナです。
室温は110℃ですが、カラッとしているため室温より低く感じます。
昨今ロウリュによる蒸し風呂のようなサウナが流行しておりますが、それらとは違い肌も痛くなく、純粋にサウナを楽しめるようになっています。
もう1つが薬草サウナ。
室温は60℃程度ですが、湿度が高くなっております。
幾度かサウナに通っていますが、このサウナははじめて経験するタイプのものです。
ロウリュをして2分くらい経ったあとの湿度がずっと続くイメージ。
なおかつ定期的に蒸気が噴出され室温と湿度が上がっていく。
個人的にフィンランドより薬草のほうが暑く感じたが、それでも10分は耐えられるのでちょうどよい温度設定だな、と思いました。
良い点
・両室ともにギリギリ耐えられる温度、湿度でありしっかり汗を出すことができる
・サウナマット使い放題なので清潔な状態でサウナに挑める
・薬草サウナでは、薬草のにおいを楽しめる
うーん、な点
・両室ともに大きくなく、人の数に対してあまりに狭すぎる
・フィンランドサウナには12分時計があるが、薬草サウナにはないためサウナを時間で管理している方にとっては残念
サウナしきじ の 水風呂
サウナしきじ名物、天然水の水風呂。
良い点
・絶妙な硬度、すべての数値において市販の天然水を超えるスペック
・水風呂内で水分補給ができる
・クソデカい滝
サウナしきじの天然地下水の成分が店内にありましたが、しきじ内は撮影禁止なため、実際に数値をメモしてきました。
栄養素(100mlあたり) | 硬度 | カルシウム | ナトリウム | カリウム | pH値 |
しきじ水 | 84 | 2.5 | 0.55 | 0.45 | 7.7 |
サントリー天然水 | 30 | 0.97 | 0.15 | 0.28 | 6.7 |
熊野古道水 | 10 | 0.06 | 0.26 | 0.86 | 7.1 |
おいしい水 六甲 | 32 | 0.65 | 0.37 | 0.06 | 7.2 |
森の水だより | 33 | 0.85 | 0.29 | 0.1 | 7 |
いろはす | 25 | 0.66 | 0.22 | 0.09 | 7.9 |
サウナしきじ 天然地下水成分表より引用
それぞれの項目について調べました。
硬度は水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの量を、炭酸カルシウム量に変換した数値になります。
数値が高いほど硬く(硬水)、低いほど柔らかくなる(軟水)。
硬度が1~100mg/Lの水は軟水、100~300mg/Lの水を中硬水、300mg/L~のお水が硬水と呼ばれています。
しきじ水は比較的硬い分類に入る。
カルシウムはご存じの通り骨の強度をあげるものです。見ての通り、日本で市販されている有名なミネラルウォーターの2倍近くあります。
しきじに通いつめれば、給食のときに牛乳を飲みまくっていたあの頃のように骨が強靭になるかもしれません。
マグネシウムも同じく骨や生活習慣に関する栄養素で、こちらも市販されている水を凌駕する量です。
カリウムは細胞の状態を正常に保つことや、血圧を調整する働きを持っています。
真にカラダのうちから整える、そういった天然水ですね。
つまるところ、水道水の水風呂に比べ硬度は近くとも質が大きく異なる。
質とは、カルキ臭の有無やカルシウムやナトリウム量のことを表す、というのが僕の答えです。
飲める水は入っても心地がいい。
数字の話はここまでにして、実際に入った感想をまとめます。
しきじの水は口コミやSNSでは「やわらかい」「入りやすい」というような意見をみつけましたが、1セット目では驚くような差は感じませんでした。
よくある水道水による水風呂と比較して入りやすいのかも?くらいの感覚です。これは自分が鈍感だからかもしれませんが...。
しかし、水風呂を繰り返していくうちに「入りやすい」という感覚がわかってきました。
確かにこれはいい、カラダを入れることに抵抗がないというか、しっかり温まっているにも関わらず17度にしては冷たく、でもずっと入っていられるような感覚に陥りました。
あと、個人的にサウナを出て水分補給と水風呂を同時に行えることがうれしかったです。
サウナ後は喉が渇いているので迅速に水分を補給したいのですが、補給している間にゴールデンタイムを逃してしまいそうで中々補給ができません。
どちらも重要ですが、同時に行うことができない。それをできるようにしてしまったしきじは素晴らしい。
他にも同じくレトロな店構えで水風呂が飲める大垣サウナにも行ってみて比較をしてみたいところですね。
また、クソでかい滝は熊本にある湯らっくすかココくらいでしか見れない気がします。(ほかにあったら教えてください!)
水を飲み、頭から滝を浴び、そしてじわじわカラダの温度を下げる。
ここだからできるルーティン、これが板についてしまったら取返しのつかないところまで来てしまいそうですね。
良い点は以上です。
うーん、な点
見当たりませんでした。文句なしです。
サウナしきじ の ととのいイス
ととのいイスは6席あり、他にはプールにあるような1つで6人座れる長方形のイスが2席用意されていました。
良い点
・外気浴ではなく、内気浴
・作りがシンプルであるため集中できる
・滝の音が大きいため、雑談の音がすべて断ち切られる
室内にイスがあるため、冬でも寒くなくととのいに集中できます。
また、店内は狭く物も少ない、シンプルなつくりになっているので恐ろしいほどの集中できます。
あと、個人的に嬉しかったのが滝の音です。
自分はととのう際にマインドフルネス瞑想というものを取り入れています。
はじめはある一点を見つめ(ライトや看板など)、ある程度集中できたら聴覚を研ぎ澄ませる。周りの音に耳を傾ける。
そうすると心地よい体温、脈拍になっていき、これがととのうという状態だと考えております。
その際に大きな障害となるのが大きな声での会話です。
昨今はウイルスの関係で沈黙が保たれることが多いですが、それでも大きな会話は多々あります。
一番最悪なのはととのいイスに座りながら会話する(マジで何しに来たの?)ことですが、これらも水風呂の大きな滝が打ち消してくれます。
いついかなる状況でも集中できる環境があるのは素晴らしいことだと思います。
うーん、な点
・水風呂の滝が大きすぎて後ろから冷風が舞い込んでくる
・人数に対して席が少ない
先ほど最高の滝と申し上げた"水風呂の滝”はすべてをかき消す大音量であるが故に冷風が起こり、いい感じに整っているときに寒くなってしまいます。
対策としては、1列目にいき後ろの人を風よけにするか、夏に行くか、になります。
人数に対して席が少ないのはサウナも同じで仕方ないですが、熾烈な席争奪戦は怖いですね!
しかし、みんなが欲しいのは個人席のととのいイス。店舗の大きさに対し人が多すぎるため常に争奪戦が行われています。
サウナしきじ の 総括
引き算の美学。その言葉がピッタリなサウナでした。
徹底的に無駄を省き、必要最低限だけを用意する。
そしてそれらはすべて高い水準にある。
モノや考え方はシンプルであればあるほど良いと考えます。
人間は選択肢が多いと、結局どれに手を付ければよいかわからずパニックになる、という心理を本で読んだことがあります。
昨今流行しているロウリュサウナも素晴らしいもので、僕も大好きです。
様々なイベントを行うサウナ、大好きです。
でも、選択肢が多すぎるからこそ「一度で酸いも甘いもしゃぶりつくせない」んですよね。
しきじは違う。1度の訪問である程度、大方楽しみ尽くせます。
やることはシンプルにサウナに入り、水風呂に浸かり、休憩するというだけのこと。
なぜサウナに通い始めて、なぜサウナが好きで、なにを目的でここにいるのか。
今一度考えさせられる、そんなサウナでした。
サウナに疲れてしまったとき、ととのうことに必死になってしまっているとき、熱いサウナに耐えることだけがサウナになってしまったとき、サウナの楽しさがわからなくなってしまったとき。
そんなとき、もう一度ここの扉を開けてサウナに向き合ってみたいですね。