みなさん、LUNKHEADというバンドを知っていますか?
おそらく僕の10個くらい上、ロキノン全盛期と呼ばれていた15年前の方々ならご存知かもしれません。
ただ、僕と同年代の人間でこのバンドについて知っている人間を僕は知りません、それくらいマイナーなバンドです。
俺はランクヘッドが大好きだし、あまりうまくいかなかった大学時代だからこそランクヘッドを聴けて本当によかったと心底思います。
そのランクヘッドをこの記事を通して皆さんに知ってもらい、新しい音楽畑を耕していってもらえたらと考えこの記事を書いています。
【ランクヘッドの生い立ち】
ランクヘッド(通称:ランク。僕はランクへと呼んでいる)は愛媛県新居浜市出身の4人で結成されたバンドです。
高校時代の同級生が中心になって組んだらしいです。
それゆえにものすごく団結していてメンバーの仲がめちゃめちゃいい。
バンドは結成20年、その前から付き合いがあるから家族と同じくらい顔合わせてるんだなぁって思うとただすごい、バンドは方向性の違いや金銭トラブルとうとうで解散することも多々あるので。
高校卒業後、上京して一度解散になったがその後合流し再結成、今に至る
ちなみに全員MARCH以上。ボーカルの小高芳太郎さんについては早稲田大学理工学部、すげーエリート。
ちなみに、このバンドは1度ドラムが変わっている。
同級生であった石川龍がDr.をしていた石川ランクへ(結成〜2010年)(僕が勝手にそう呼んでいる)、石川が抜けてからサポートドラマーとしてツアーに同行していたART-SCHOOLの桜井が加入してからの桜井ランクへ(2012(?)〜現在)
どちらも同じバンドでありながら色がかなり違う。音の違いを言葉に表すのってとても難しいが桜井のほうが重い。
イヤホンで聴くならドラゴン、家のスピーカーなら桜井のドラムがいいなーって感じです。
抜けたドラゴンとは今でも良好な関係、らしい。
【ランクへのどこがいいの】
歌詞が人間臭いところ
バンドといってもいろいろ方向性があるので一概には言えないけど、ランクヘと同じジャンルのバンドってどうしてもかっこいい言葉で締めたりかっこいいメロディジャカジャカやってるイメージがあります。
それに対してランクへは歌詞が人間臭くてとてもいい。
自分はメロディを聴いて気に入ったらそれからずっと歌詞を眺める。その中でいくつも自分の琴線に触れる歌詞があった。
例えば僕がランクへにハマったきっかけである「シューゲイザー」という曲。
「多分あんたは真面目すぎんだよ だからそんなに生きにくいんだよ」という歌詞があります。
これは「自分が経験してないと書けない」歌詞だと思うんです。
すごいなー、こんな歌詞って書けるんだ。それからランクへが大好きでずっと聴いてます。
相当苦労されていて、失礼ながらあまり売れていないバンドだからこそ書ける歌詞、それだからこそ聴き手にダイレクトで伝わる歌詞が書けるんだろうなって思っています。
あまり聴いている人がいないので俺だけのバンド感がある
先程も言いましたが、ランクへはそこまで売れていないバンドです。(めちゃめちゃ失礼)
それ故にブログでお客さん来てください!!このままだとやばい!!(意訳)みたいなブログを書いていた。
(結果満員。呼びかけたら絶対満員になるわけではないしすごいことだと思う)
こういうところが生々しいが、それだからこそ人間らしい歌詞を書ける。
たくさん苦労されてきたバンドなんだろうなって、その生い立ちを知ってるからこそ刺さるバンド。
詩的な歌詞
ランクヘは大きく分けて
・恋愛ソング
・青臭ソング
・生きづらい人向けソング
・詩的ソング
の4つに別れていると思う。
その中でも詩的ソングがめちゃめちゃいい。
例えばランクへ詩的ソング代表作である「インディゴ」。
「世界中の青を集めて重ねたみたいな宵の空」という歌詞ではじまり「溶け残る夜の匂いに思わず僕はくしゃみをした」という歌詞で終わる。
小説かよ。めちゃめちゃいい。
ランクへ小高が日本橋ヨヲコ先生という漫画家を敬愛していて、彼女へのリスペクトでこのような歌詞が出来上がったそうな。
聴く小説、おすすめです。
明るいメロディに暗い歌詞をのせている
メロディがポップで明るいのに歌詞が暗いことがしばしばあるこのバンド。
後ほどおすすめする『羽根』というナンバーは後ろ向き過ぎて逆に前向き、みたいな感じがします。
結局辛いことには変わりないけど、それでも前向いて生きていくという人間として必要だけどなかなか難しいこと、それを上手に書いてくれていると思います。
あくまでこれは主観。きっともっと自分に刺さるバンドはあるかもしれない、上記をより満たしているバンドはあるかもしれない、ランクへじゃなくちゃいけない理由はないかもしれない。
けれど、自分がしんどいときにスッと歌詞が入ってきたこのバンドは自分のNo.1バンドだと思います。
【どんな人に刺さるバンド?】
生きづらさを抱えている人
生きづらい人間は自分がどうして生きづらいとかわかってるけどわかってないことをわかってると思うんです。
そういう人間の言葉にできない感情を言葉にしている。
また、先程から言っている「あまり売れていないバンド」だからこそ伝わるものがある。
きっとヒット作をバンバン出しているバンドの言葉よりも範囲は狭いかもしれないが刺さる人はいるのではないでしょうか。
本当の意味での凡人
人間、何かしらの才能があると言われているけどその才能を見つけられる人間ってごくわずかだと思います。
そんな凡人である僕らに刺さる歌詞が多い。
【おすすめの曲5選】
おすすめの曲は無限にありますが、ここでは5つ挙げさせていただきます
1.インディゴ
このバンドを代表する曲ですね、この曲をやったら絶対盛り上がる曲。
「世界中の青を集めて重ねたみたいな宵の空」という詩的な歌詞からはじまる高BPMのパンクぽい曲。
まさに00年代ロキノン系みたいな感じの曲、俺はこういう曲大好きすぎて困る。
インディゴはメロディもさることながら歌詞がいい、聴く小説。
歌詞のすべてが好きなんですけど、特にラスサビの「お伽の国のような街 夢から覚めるにはまだ早い 溶け残る夜の匂いに思わず僕はくしゃみをした」という歌詞がとてもいい、名残惜しさ、物足りなさを曲全体で書いて最後にこの歌詞で締めるのがすごい。
アニソンタイアップとかしてたら超売れてたと思う。
ランクヘ小高さんによる解説↑
2.シューゲイザー
こちらもテンポのよいロックナンバー。
イントロのギターリフがめっちゃ癖になります。
こちらもカ強いメロディに暗い歌詞をのせています。
傷ついて、立ち直れないときもあるかもしれないけど案外まだやれる、まだ戦えるというような曲。
はじめてランクへのCDを購入したのはこの曲が入っているV0Xというアルバムだったなぁ
小高さんによる解説↑
3.ENTRANCE
こちらも爽快なロックナンバー、かつランクへらしく後ろ向きな歌詞。
結局どれだけ考えたところでなにか変わるわけではない。不安で辛い中でも「どうしてもこれだけは譲れない」ことがあると思う、それだけは絶対曲げるな成し遂げろみたいなメッセージだと思っています。
音楽とは、負け犬や弱い人間のためにあるものだと僕は考えます。まさしくそういった人間のための曲であり、そんな弱い僕らでもやっていこうやみたいな感じ。
「夢は叶うなんて勝ったやつのセリフだな そこらに3億円くらい落ちてないかな」という歌詞が個人的に大好き。
ブログのサブタイトル欄にある言葉もこの曲からとったものです。
解説↑
4.羽根
爽やかなメロディに韻を踏んで弱さを書き連ねた歌詞。
(さっきからそんな曲しか紹介してない)
この中の曲すべて大好きですが、今年はこの曲を一番聴いてるかもしれない。
ちなみにこの曲はバンドを脱退された前ドラム 石川龍さん(ドラゴンさん)が作詞作曲している曲です。生で聴きたいなぁ
5.音のない部屋
失恋ソングです。一曲でストーリー構成されていますね。
当たり前のようにそこにあったもの、いつもいてくれた人がいなくなってしまった喪失感を上手に書いています。
いつも後ろ向きなこのバンドが
「あなたに会えたとき ちゃんと笑えるように 生きてく だからいつも私をどこかで見ていてね」という歌詞を書いているのは驚き
どれだけ好きだった人のことでも必ず忘れていってしまう、それでもいつか会えたときちゃんと胸を張れるよう生きていこう、と前を向いて終わる歌詞。
【なんか色々と惜しいバンド 世界で一番諦めの悪いバンド】
先程からちょくちょく出している実力の割に売上が少ないという話。
本当に惜しいバンドだなっていつも思います。
演奏技術はものすごく高く、作る曲もお世辞抜きで超絶良い。
ただ、いろいろと恵まれていないというか、タイミングが悪いというか。
00年代前半、バンドブームがありましたよね。BUMP、アジカン、エルレとかが流行っていたはず。
ランクヘはこれらのバンドの次に「来る」と言われていたほどの実力を持っていたそう。
それがタイミング悪くバンドブームが過ぎ去り、立ち直したと思ったらまた災難…。
最近だと、ずっと所属していたレコード会社 有限会社直球を脱退し合同会社を立ち上げたランクヘッド、そんな最中にコロナウイルスでライブができずピンチ。
いろいろと惜しい気がします。
アニメのタイアップとかでインディゴやシューゲイザーが使われたらおそらくもっとこのバンドは有名になってた、売れていたかもしれない。
最近だとバンドをやめてアニソン方面にきて大成功している大石昌良の例もありますし、ランクへ小高がその道を選んでいてオダカヨシタローになっていたら、今頃自分はアニソンフェスのステージで小高さんを見ていたかもしれない。
そんな「あったかも」という可能性をすべて踏み倒しここまで20年間続けてきたランクヘッド。
ここまできたら意地でも貫き通してほしいですね。
先程名前を出した大石昌良のバンド「Sound Schedule」のインタビュー記事で読んだことなんですけど、「バンドは10年続いたら成功 20年続いたら意地 30年続いたら家族」らしいです。
ランクへは10年続いているだけで成功だし、意地でここまで来たバンドだと思います。
これからもこのバンドを応援し続けたいな、と思います。
自分がしんどいな、辛いな、なんて落ち込んでいるときに彼らがずっと演奏続けてくれたらそれだけで元気もらえるじゃないですか。
そんなバンドであり続けてほしい、というのが僕の勝手なお願いです。
これからもライブに通って応援を続けたいですね。
この記事を読んでこのバンドに興味を持ってくださった方、ぜひライブでお会いしましょう。