黒糖です。サウナが好きです。
みなさん、サウナ、いってますか?
サウナは全国各地どこにでもある。我が愛知県にも、もちろん。
愛知県はサウナ強豪校がひしめき合い、インターハイ優勝回数も最多であります。
施設も充実しており、中でも【3強】と呼ばれるインターハイ、国体などで使われたサウナはサウナーの中でも聖地という扱いを受けている。
・ウェルビー栄
・サウナラボ
そして、サウナイーグル
サウナイーグルは最強最恐のサウナとして愛知県では恐れられ、その地に足を踏み入れたものは煉獄の炎に包まれるともっぱら噂のサウナである。
その熱はまるでイーグルの如く。
そしてこのサウナには毎月19日、イーグルの日に【ロウリュチャレンジ】が開催される。
サウナイーグルHPより引用
コレコレコレコレ
俺が求めていたのはコレなんだよな。
日々自転車競技をしており、その癒しとしてサウナに通いはじめ4ヶ月目。
どこか渇望していたんだよな〜
熱さに
コロナウイルスでレースも軒並み中止になり、練習も満足にできない。
今こそその鬱憤を、戦う事に対する飢えを満たす時が来た。
2021年シーズン 1stレース サウナイーグルロウリュチャレンジ
燃える漢が火を吹くぜ
準備編
対策なんてないけど、とりあえず近所にある1時間に1度ロウリュが行われるのに680円で入浴できる(バグ?)恵みの湯に足繁く通うことにした。
アツアツのサウナストーンにアロマ水がかかり痛いほどの暑さの風が拭くロウリュ、たぶん初見だと死んでいた。こんな近所に恵まれた環境があって本当によかった。
恵みの湯があったからこそ、今回のチャレンジに挑むことができたと言っても過言ではない。
レースでもそうだ。本番と同じコースプロフィールに近いコースで練習し、展開を意識する。サウナ"競技"だって同じだろう?本番に近ければ近いほどいい練習になる。
もちろん練習の恵みの湯では最上段に居座る。そして毎時30分より襲いかかるロウリュに耐えしのぐ。
・どんなフォームで
・どんなタオルの使い方で
・どれくらいのダメージが来るのか
意識しろ、本番を。行ったことがないサウナ室だが、HPやサウナイキタイで室内の様子を見まくった、頭の中でイメージを浮かべる。
勝てるか勝てないかわからない勝負に挑む時は人生で最も楽しい瞬間である。
本番当日
準備編
今回の目標は完全初見で勝利(15分耐え)すること。
完全初見にこだわる理由は唯一つ、かっこいいから。
大真面目である。趣味で一番大切なのはかっこよさ、これはどんな趣味でも貫いてきた。
そして俺のかっこよさは【勝利】にある。
ルールの範囲内ならどんな手を使ってでも勝ちたい。
だから今回の挑戦は1人では心が折れそうだったので大学の後輩と挑むことにした。
後輩は3日前にはじめてイーグルに行ったというツイートをしており、その日のうちにロウリュチャレンジに誘った。
快諾してくれた後輩に感謝。
実際に彼がいなかったら最後の3分を耐え抜くことができなかった。
ルールの範囲内といったが、ここで今一度ルールを確認する。
・氷は1人2つまで
・タオルは1人2枚まで(サウナハットをかぶる場合は1枚)
自分はサウナハットを持っていないのでタオル2枚で挑む。
また、タオル2枚のほうがサウナハットよりも熱を防ぐ面積が大きいため有効であるというのが持論だ。
当日は後輩と現地集合で落ち合う。着替えてラーメンを貪る。
後輩が「先輩卒業できそうなんでラーメンおごったげます」といい醤油ラーメンを食べさせてくれた。嬉しすぎて涙が止まらない放課後。
アップの時間も欲しかったため少しせわしなかった、後輩には申し訳ないことをしてしまった。
アップだが、まず体を洗い入浴をし1セットだけサウナに入る。
はじめてイーグルのサウナに入った感想だが、自分が通っている恵みの湯と似た温度・湿度であった。どちらかといえば恵みの湯の方が熱い気がする。
室内は広く、明るい。
自分は暗めのサウナによく足を運ぶので、こういうサウナは新鮮だ。
その後水風呂に入ろうとしたが、人でいっぱいであったため2分程度入って終わり。正直もっと浸かっていたかったが仕方ない。
また、水風呂にたくさん入ることより如何にしていい場所を取るか、ということに専念したほうが勝率が上がると考え待機列では最前に並び、ドア付近の最下段に座る。
最高のポジショニング。
今回の目的は【15分耐え抜くこと】である。
最下段以外選択肢にない。
しかもサウナストーン前ではなくストーブ前、これはロウリュのダメージを最低限に抑える目的がある。
レースと同じだよな、勝つためには最善のポジションを頑として譲らず、徹底的に不安要因・敗因となりそうなものを排除する。
サウナは楽しいものであり、競うもの、耐えるものではないというのが持論である。ましてや人に押し付けるのはもってのほか。
だが、今日だけは、この毎月19日だけはサウナを嫌いになってもいい。勝ちに徹する。
先月のレースで優勝したとき以来だ、ここまで徹底的に勝ちにこだわるのは。
いざ、勝負。
ロウリュチャレンジ、開始
選手入場。今回は満員で35人。多すぎて二部制となったそうな。
選手に続いて今回我々に大きなダメージを与えるサウナマイスターが5名入場。
正直全裸で耐える我々よりも上下服を着て15分間仰ぎ続ける彼らのほうが辛いだろうなぁ、と考えルール説明を聞く。
「手足がしびれだしたら危険です、無理せず出てください」
承知。
「今回は緑茶のアロマ水でロウリュをします。香りが楽しめるうちに楽しんでください」
笑止。
楽しむ気なんてサラサラ無いぜ、【勝利】にこだわる。
以前のレースもプロ選手がスターターとして一緒に走っていたことがあった。背中を見つめていたが「っしゃー!プロ選手と走れてる!」なんて思う暇はなかった。常にどこでしかけて、どこでスプリントをするか。それしか頭になかった。
その時と同じ感覚、肌でわかる【勝利】する感覚。
無駄な思考が一切ない、最高だ。
普通に緑茶のアロマ、めっちゃよかったです。
ピッ
テレビは消され、静寂が訪れた。
ストップタイマーの音が高温多湿の部屋に小さく鳴り響く。
15分間の地獄への火蓋が切って落とされる。
それとともに鳴り響く轟音。
ジュォォォオォォォオォォオォォォオオォォオォォォォォオ
コレコレコレコレ!!!!ロウリュの音、これがサウナだよなぁ!?!?!?
「今回ロウリュに回数制限はありません」
どんどん高まる温度、無限サウナ編。5人の炎柱が団扇を仰ぐ。
ムォン!!
熱波に音がついている。本当にこういう音をたてて100度近い温度の熱風が顔面に........
当たらない!!!!!!
当たらない、なぜか。
再三通った恵みの湯で研究したロウリュ対策、その1。
顔面をタオルで覆う 通称 アフリカン・スタイル
これは砂漠内で顔面を覆うアフリカ人を模倣して採用した。サウナよりも過酷な環境で暮らす人類の祖先から学ぶことは多い。
当たらないんだよ、熱波は!!!!
ただ、このスタイル。呼吸がしづらいという弱点がある。
ノンノンノン...違うんだなぁ。
この1年間、なんのためにマスクをつけ続けて来たと思う?
今日この日、サウナイーグルでロウリュチャレンジをする際、口をタオルで覆っても苦しくならないようにするためだ。
余裕で呼吸する。1秒で30回息を吸って履いていた。呼吸のおばけ。
「5分経過です。辛い方は無理しないでくださいね!!来月もありますから、それまで毎日イーグルに通ってきたえてくださーい!」
さすがにこの時間になるとチラホラ出ていく人たちが増える。
全面ガラス張りなので脱落者は外から挑戦者の勇姿を眺め続けられる。
人が少なくなればなるほど風は当たりやすく、マイスターの方々も縦横無尽に移動しやすくなる。
自転車競技と同じだ、風よけは非常に大事で勝つ上で必須である。
より少ないパワーで、より速く
そうだ、サウナは自転車競技と似ているんだ。
ここで恵みの湯で編み出した必殺技 その2
エアロポジション、発動
これは毎日のように行っている自転車競技・サイクルロードレースにおいて先頭を引く選手がとるポーズである。
身体を縮こめ、頭を下げる。
脳にダメージがいかないように。
今持っている知恵と経験をすべて出しきって勝つ、俺は超本気だ。
一方後輩をみると割と平然としている。
「先輩、辛かったら先出てていいっすよ」
こいつも強い、強いよ。
「残り5分で~す」
残った面々は最初の半分以下、だいぶ削られてきている。
更に加速するロウリュ。
だが、水をかけ続けることでストーンは濡れ威力は薄れるだろう。無限ロウリュといえど天井はある。
そう思っていた。
「これからサウナストーン乾かしま~~~~す」
嘘だろ
サウナストーン、乾かす
いや、嘘だろ
マイスターは爆速でサウナストーンを乾かし、リセットされたサウナストーンに再び咆哮をあげる。
ジュオオオオオオ!!ジュォォォオォォォオォォオォォォオオォォオォォォォォオ!!!!!!!!
際限なく団扇を仰ぐマイスター。
冬の木曽川沿いを走っているとき並に風が強く、夏、40度の中、木曽川を走るくらいに暑い。
そして後ろの壁がなくなることで、後ろからも熱風が舞い込む。
ここで切る3つ目の必殺技。
身体をずらす
サイクルロードレースではゴール前で熾烈なスプリント合戦が行われる。
その中で一番重要なのは空気抵抗。
後ろにいる選手に空気抵抗の恩恵を与えないために前の選手は蛇行運転をする。
風が当たるなら避ければいい。
もちろん完全に防ぐことはできないがダメージは軽減できる。
こういう小さな積み重ねが勝利を掴む、漫画のような一発デカいパンチだけで沈められるなんてことはない。
「残り3分」
3分。更に加速するロウリュ、団扇。
マイスターの方々もかなり疲弊している。
全員ギリギリの戦いだ。
耐えろ。
勝つんだろ。
勝つために岐阜からここまで来た。
勝つために、この日のためにマッシュヘアからツーブロックにしてきたんだろ
燃えるような戦いがしたんだろう?
攣りそうな腹、あがる息。
手足は感覚があるが、身体はこれ以上いったらイくと告げる。
すまん、あと1分もってくれ。
1分だけ力をくれ....。
全力でエアロポジションを取り、顔面のタオルで前面の風を防ぎ、もう1枚のタオルで後方の風を防ぎつつかわす。
もってきた氷はかろうじて残っているので全て口に入れ水分補給。
歯を食いしばり耐え抜く、唾液はもう出ないほどに干からびかけている。
薄く見えた勝機の光を絶対に見逃すな、掴み取れ勝利を。
「終了です」
全員爆速でサウナを出る。
7度の水風呂、痛すぎワロタ。
勝利である。
感想
めっちゃキツかった。
ただただキツい、でもその中に楽しさがある。正に競技。
終わった後、知らん人と談笑。終わった後に握手、楽しいね。
競う相手が参加者同士ではなくサウナとマイスターなのも楽しめるポイントだと思う。終わった後「あの仰ぎがきつかったね」などと笑い合う。
昨今ウイルス関連で営業すら危ない中、このような楽しい企画を設けてくださったサウナイーグルさんには感謝しか有りません。
次は普通に客としてこのサウナイーグルを楽しみたいと思います。(今回も客だろ)
また、記念品は3種類あるため、最低2回はクリアしないといけないという事実に頭を抱えています、正直次達成できる気はしません。。。。
「また来たくなるサウナ」であるサウナイーグル、次はどんなイベントに参加しようかな。そう思い火照った身体で帰路に着く。風は冷たく、あの非日常が随分前のように感じられた。
また来月もいくかぁ
オロポうますぎワロタ